SNOPAN PHOTOGRAPHY / BLOG

外資で未来のスマホカメラを研究開発するオッサンの戯言

Fisheye

みんな大好き機材の話。もちろん私も大好き。まーただ持物自慢みたいなのはあんまり興味ないです。別にその人が設計製造したわけでも無いし。写りとか使用感とか構造とかには興味はありますがね。で、レンズの話でもしようかな最初は何が良いかなと思って色々考えたんですが、魚眼レンズは意外と長く定常的に使ってるので魚眼から話をしてみようかなと。

 

 

昨今は135判で10mmとかとんでもない広角レンズ出てますけど、そこまで行くなら私は魚眼の方が好き。むしろ自然にさえ感じます。

 

Ichi

 

魚眼は角度から平面への写像って言ったらいいんですかね。周辺は丸くなるんですが像高50%くらいまでは変にデブっちょにならないので主題のストライクゾーンが広いというかなんといか。普通のレンズについては上手いこと説明している画を昔WEBのどこかで見たことがあって説明するのも面倒だしLINKで済ませようかなと探してみても探しきれないからやっぱり説明しますw

 

平面から平面への写像ってのをものすごく手抜きで表現したのがこちら↓

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丸いのが理想レンズだとして、大きい平面内の正方形が理想レンズによって天地反転して撮像面へ写される、これが普通のレンズの写像、平面から平面への写像です。この様子を真上から見ると

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平面内にある像をひずみ無く撮像面上に180度天地回転して射影する事を目標にして通常のレンズは設計されます。望遠も広角レンズも、です。

しかしながら現実には壁画やポスター写すばかりじゃないですよね。厚みをもった被写体を写すことの方が圧倒的に多いはずです。厚みをもった物体を上記の射影方法で撮像面に写すとこうなります。

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普通のレンズは平面から平面への写像のことしか考えていませんから、たとえ形状が全く同じであっても厚みがあれば縁にいくほど大きく伸びて射影されます。望遠(画角が狭い)になれば程度は軽くなり、画角が広くなればなるほど程度が酷くなるのは自明でしょう。よいところがあるとすれば、直線は直線へ射影されるとこですかね。

一方、魚眼の射影の考え方は根本的に違います。射影方法は4つありまして解説してくれているサイトがあるのでそちらを参照下さい。光学の工学書をあたっても良いと思います。見てもらえば一目瞭然でしょう。正射影は鼻デカ写真に向いてますね。個人的に等距離射影の魚眼がほしいのですがコンシューマ市場にはなさそう?です。どの魚眼レンズも縁にいくと潰れますし。

例外を除き、どの射影方法にしても直線は直線へ射影されないので、フレーミングに工夫は必要ですよね。例外は画面中央を通る直線。これだけは直線へ射影されますね。私の場合は地平線や水平線を画面中央に通してパノラマっぽく使うことが多いです…まー常套手段ですよね。最初に挙げた猫の写真、手すりの木を何本か画面中央を通るラインへ載せて魚眼っぽさを軽減させています。判りますか?

 Canon EF8-15mm F4L Fisheye USM

線は甘め、キレはあまり無いです。色乗りがよいので、そういう見せ方をするのが良いと思いますね。

SAKURA / 桜

Living in the metropolis

Blue Sphere

 SIGMA 15mm F2.8 EX DG DIAGONAL FISHEYE

なんやかんや長いこと使ってます。倍率色収差そこそこありますが、昨今の現像ソフトは画像解析して倍率色収差を消すなんて朝飯前。問題ありません。倍率色収差消すと途端にキレが出てきます。

Fisheye in the crowd / HALU-35

 

色乗りはわりとあっさり目ですが、足りないことは無いですかね。現像でちょっと手を入れれば無理なく如何様にも。

 

Summer Days -25-

Untitled

 

被写体を良く選んでフレーミングに気をつけてやると、やたら広くみえるのに魚眼ぽくないアガリにもなります。

 

Competition

 

ハッキリと認識できない程度の軽微なフレアみたいなのが残っているように感じます。真偽は不明。例えばZeissのDistagon 21mm F2.8とかだと抜けが良すぎというかクッキリハッキリし過ぎてこういうフワーっとした感じになりにくい感触がありますね。

あとはお決まりのアレですか。パノラマっぽく使うやつ。

 

Early Summer Days 2017 -18-

Early Summer Days 2017 -15-

Untitled

 

魚眼なので魚眼っぽく使っても面白いですもちろん。

 

September -11-

Summer days -35-

Summer Days -4-

 

このSIGMAの対角魚眼、個人的にお気に入りのレンズです。
これからもまだまだ使うことでしょう。

 

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