SNOPAN PHOTOGRAPHY / BLOG

外資で未来のスマホカメラを研究開発するオッサンの戯言

縞ノイズ

何故か必ず 島の伊豆 と変換される縞ノイズw

Twitterで 

と申し上げました故、ちょいと事例を。

 

α7III (ILCE-7M3) に関しては、低ISOでノイズが多い、色が汚い、ハイライトが全く粘らずぶっ飛ぶ、縞ノイズ等々、不満なところは沢山あるのですが全部例を挙げるのが面倒なので、わかりやすい縞ノイズの事例を晒します。

 

まず初代a7のデータを御覧ください。軽くトーン調整したのみです。

ILCE-7, ISO100, SS 1/320
NOKTON 40/1.2, F2.8

f:id:snopan:20181003211917j:plain


ILCE-7, ISO100, SS 1/5000

NOKTON 40/1.2, F1.2

f:id:snopan:20181003212020j:plain

 

まあなんてこと無い、江ノ島付近の空の写真です。

 

これを例によってNeatImageでノイズリダクションして抜け感と透明感の下地を整えていくのが私の通常フロー。*1 (つかここではノイズ解析しかしませんが)

 

(ノイズリダクションに関しては以下の記事を参照して下さい。)
 

 

NeatImageを立ち上げて

f:id:snopan:20181003213310j:plain

 

前述の画像を放り込み、ノイズ解析させます。

f:id:snopan:20181003213519j:plain

 

緑色の四角の部分を拡大すると

f:id:snopan:20181003213634j:plain

 

左下のグレーの画像が、輝度ノイズ解析画面です。
まあ輝度のデータの2次元の微分みたいなもんと思えば大体あってます。

とくに何の変哲もない、ランダムなノイズが見えます。
微分で強調されているのでノイズだらけに見えますが
実際の画像では人間の肉眼の認知限界以下であろうことは
見れば直ぐに解りますね。

 

 

2つ目の画像を放り込んで、同様にノイズ解析してみます。

f:id:snopan:20181003213958j:plain

 

同様に緑色の部分に注目してみます。

f:id:snopan:20181003214116j:plain

 

これもまた何の変哲も無いランダムな輝度ノイズがありますね。
まあ、こんなもんです。普通です。平々凡々です。ハイ。

 

 

それでは、α7IIIのデータを見てみましょうか。たとえばコレ。

ILCE-7M3, ISO100, SS 1/640
SIGMA 135/1.8 Art, F4.0

f:id:snopan:20181003214256j:plain

 

パっと見で特に変なところは見受けられません。

これをNeatImageに放り込みます。

f:id:snopan:20181003214715j:plain

 

緑色の部分を拡大すると

f:id:snopan:20181003214847j:plain

 

あ?

f:id:snopan:20181003214946j:plain

 

なんやのこのシマシマ??

 

よく観ると、そこらじゅうに有るようです。

f:id:snopan:20181003215137j:plain

 

雲と雲の間にもシマシマ。

f:id:snopan:20181003215252j:plain


NeatImageから解析する場合ではトーンが均一に近いところで良く見えるようですが、基本的に画面全域に乗っています。何かが写っていれば目立たなくなるという塩梅の様子。ただし、この現像の状況においては肉眼で見えるレベルではありません。

他の画像でも同様です。たとえばすでに挙げている作例

ILCE-7M3, ISO100, SS 1/800
SIGMA 135/1.8, F1.8

f:id:snopan:20181003215859j:plain

 

でもやっぱりシマシマ。*2

f:id:snopan:20181003215944j:plain

 

α7IIIを使う限り、認知できていようと無かろうと常にシマシマが背後に潜んでいると考えて良いです。当然、画面全域に潜んでいます。

故に、激しめに輝度調整するとこのシマシマがこんにちわと挨拶してくるであろうことは容易に想像できますね。実際私も何度か実画像で目視しています。(処理しました)

 

NeatImageであってもこのノイズ「だけ」を完全に処理することは難しいですね。軽減して認識できなくすることはできますが。

思い出してください、初代α7にはシマシマはありません。皆無です。全くありません。ただただランダムなノイズがあるのみです。それが普通です。

気にするかしないかは使う人次第ですけどね。正直、まったく気にしないとは言い難いですね。アガリの時点でコンニチワされたこともありますからね。

 

 

と、ここまでが縞ノイズの話。

 

 

裏面照射センサー、低ISOでも色が汚いのは本当ダメ。(私見)
α7IIIで1、2枚めみたいな色を見たことが無いですわ。初代α7なら何もしなくても最初から出てくる色とトーンなのに。

 

一部ユーザーが高感度ばっかりギャーギャー騒いでメーカーがそちらに振り切った開発するとこうなっちゃう。*3

過去にもNikonD700の最低最悪な低ISO画質にゲンナリしましたよ。*4


ま、愚痴はここまで。
私はただ現実を認識して冷徹に選択するのみ。

 

皆様の選択は、皆様自身で。

*1:ここにUPしている画像はHatenaBlogの仕様のためJPEGにしていますが、実際にNeatImageに放り込んでる画像は非圧縮16bitTIFFです。

*2:何故シマシマが傾いているか?単純に、現像時に傾き修正してるからですw シマシマ自体はセンサー水平方向にビッチリ出てきます。

*3:メーカーさんには高感度厨向けプロダクトのみにBSIを採用してほしい。通常ラインにあの汚い色を持ち込まないで欲しい。スマホLikeな画質はマジ迷惑。勘弁してほしい。

*4:Nikon D40 ⇒ Nikon D90 ⇒ Nikon D700 と、どんどん低ISO画質が悪く汚くなっていきました。D700にいたっては日中でISO200で撮ってなんでこんなノイズ載ってんの?なんでこんなに汚い色なの?って不満しかなかった。さっさとペンタやキヤノに乗り換えました。(懐かしい)