Something Special 2-09 - SNOPAN PHOTOGRAPHY / BLOG

今回は

NOKTON 50mm F1 Aspherical
LUMIX S PRO 50mm F1.4

の2本です。

■ NOKTON 50mm F1 Aspherical

開放絞りF1.2未満の大口径のレンズを開放で使うと「これ結像してる？」って思う様なものがちょいちょいあります。が、こいつはガラスモールド成形しにくい硝材を削って非球面にしただけあって、まあまあちゃんと開放から結像してくれます。とは言え昨今の解像厨はAPO-LANTHARで撮ったギチギチの画像を等倍鑑賞とかするでしょうから、その観点で言えば甘々ではあります。「鑑賞サイズにしたらそんなに気にならない程度には開放からちゃんと結像してくれる」位で捉えていただければ大丈夫かと。

絞るともちろんキリっとしますし等倍鑑賞してもキッチリ結像してるんですけど、引いて鑑賞すると線太め甘めの印象が変わらない不思議なレンズです。この特性を活かして「ちゃんと写ってるんだけど写りすぎてない様に見える」アガリに向いてそうです。モノクロとか良いですね。実際、作例漁ったらほとんどモノクロしかなかったですw あ、パープルフリンジ結構出ます。そういう意味でもモノクロ向きかもしれない。

大口径レンズの醍醐味として、ありきたりの絞り値だと中距離で被写界深度が深くなってしまうところを浅い被写界震度のまま写せて独特のミニチュア感というか立体感というか、そういうのが表現できる点にあると思います。これはスマホ鑑賞（小さな画面）だとほぼ感じることのできない世界でしょう。

例えばこれ↓スマホで見ても「は？ミニチュア？どこが？」って全然わからないでしょ。

NOKTON 50mm F1 Aspherical / NIKON Z9

NOKTON 50mm F1 Aspherical / NIKON Z7II 絞っても妙にツルツルしてる

NOKTON 50mm F1 Aspherical / NIKON Z7II 貴重なカラー作例。マジこれ位しか無い。

Voigtlander フォクトレンダー NOKTON 50mm F1 Aspherical VM ライカM Mマウントブラック

フォクトレンダー

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■ LUMIX S PRO 50mm F1.4

レビューサイトのとるならさんで "狂気のベンチマークレンズ" "光学的に「一番いいのを頼む」としたらこれをおススメします" と評されているレンズ。

asobinet.com

歪曲以外の収差がほぼ完全に補正されたレンズがたった20万程度で、しかも現行品として入手可能なのですから、これはレンズ道楽としては試さない訳にはいきません。「APO? それってアポクロマート性達成したってだけだよね？他の収差は補正できてんの？出来てるなら声高々に謳うだろうし謳ってないてことはできてないってことだよね？何それ全然大したことないじゃん」とケンカ売ってます（売ってない

note.com

ここからは私の感想。

「結像の甘さを感じることが何もないと言うのはこういうことか」を体験できてこの時代に生まれて良かったな← と思っています。これが写りとしての好き嫌いと結びつくかどうかはまた別の話でしょうけども。

結像に関して言えば、文句の付けようがない。アポクロマート性も完璧でボケの前後で緑とマゼンダの色など皆無。色のりナチュラル。周辺減光少なめ。あまりにもリアルに写る。

アウトフォーカスに関しては、上記のパナのnote記事で「フラットなボケ」とありますが、実用上は若干きらびやかに見えます。このレンズ以外では感じなかった感覚で実に興味深いのですが双刃の剣でもあります。使ったことが無い方に伝わるか疑問ですが、アウトフォーカスが「うるさい」ではなく「積極的に絵作りに参加してくる」ケースがちょいちょいありました。そう言う派手な後ボケ（単なる玉ボケではない）ってほとんどの場合はうるさいってなるんですけどね。

同価格帯で先に紹介したSIGMA50/1.2DGDNがありますが、特にアウトフォーカスのキャラの違いが顕著です。こちらはきらびやか(フラット)、SIGMAは柔らかくシルキー。アウトフォーカスに「柔らかい⇔硬い」以外の使い物になる別の軸がある事をこのレンズで初認識しました。あとは周辺減光かな。SIGMA5012は強い周辺減光ありますが、このパナSPRO5014はほとんど感じません。

どうですか奥さん一家に一本、いやSIGMAと併せて一家に2本。

LUMIX S PRO 50mm F1.4 / LEICA SL (Typ601)