SNOPAN PHOTOGRAPHY / BLOG

外資で未来のスマホカメラを研究開発するオッサンの戯言

Impression Fidelity

ふと思い浮かんだ造語です。

 

I wanna make it faithful to impression I received at that time.

 

ってとこですかね。意味としては。
真面目に考えるとめちゃくちゃ難しいことだと思うんですよ。
無理ゲーに近い。

 

例えばですね、言葉を使ったとしても

Aさんの気持ちを完全に正確にBさんに伝えるのは難しい。
というかほぼ不可能。

なぜなら、そもそも性格が違う。人格が違う。
環境も経験も価値観も何もかも違う。
ある感情に対する反応も違う。発するワードも違う。

故にAさんがある気持ちのときに発する言葉をBさんが聞いたとしても
そのときその場にAさんとBさんが一緒に居たとしても
Bさんが受け取る印象はAさんとは微妙に(あるいは全く)違う。

同じものを見てもAさんとBさんは視力が違う。色覚が違う。
同じ音を聴いても聴覚/聴力が違う。ハードウエアの時点で既に違う。

さらに見たり聞いたりした内容に対する好みも解釈も違う。
脳と心のソフトウエアの部分が全然違う。*1

基本、他人と自分は何もかも違う。

 

言葉は、ある程度共通した社会通念を共有していて初めて通じるわけでして。
共有していない場合は、国が同じでも話がまるで通じない。

僕は昔からこの事を「人はそれぞれ辞書を持っている」と称しています。

 

ただし、相手の「辞書」の中身を想像することもある程度は可能ですし
そういう能力に長けた人は「相手の気持ちになって話ができる」わけで。
話すことに説得力がある人とかね。そういう事かなと。

AさんとBさんが阿吽の仲であるなら
お互いの人生と言葉の辞書に共通の内容が多いってことです。

 

言葉であっても難しい。
それを写真だけでやろうって話です。

そのときに自分が受けた「印象そのもの」を伝えられるのか。
写真を観た人と共有できるのか。

 

無謀 www

そうやって考えれば考えるほど
自分と共通する部分が多い環境で生きてきた人にしか 
感情的な部分ってまず伝わらないよなあって。思うわけですよ。

 

で、伝わらなくても良いんです。
世の中すべての人と仲良くならなきゃいけない義理なんて無いのと同じく
写真観てくれた人全員に伝える必要なんて無いと思っています。

 

伝わる人がいたらラッキー、くらいなもんです。

 

あるいは、
伝わらないことで、観た人の側で「伝わってきてほしいと頑張る」ことで
何かが起こるかもしれないとか、ちょっと思ったりもしています。

観る側にそういう気持ちにさせる何か(?)とかが、みせる側に必要なのかな。
普遍的な画力ってやつですかね。

 

なんか煙に巻くような話ですみませんw

 

Prelude

 

「現場で感じた自分の気持ちに忠実でありたい、として表現した写真は第3者に伝えることが出来るのか?どう伝わるのか?」

ということはですよ、現場で何も感じなければ何も撮らない?

YES.

そもそもですよ、趣味ですからw
義務感で撮るわけが無い。
内部衝動が発生してないのに撮るわけが無い。

実際、気分が乗らなきゃ一枚も撮らないどころか
カメラを取り出さずに現場から帰ることもよくあります。
趣味ですからね。1枚も撮らなくたって全く何も困らない。

 

他に、このコンセプトについて言及しておきたい事としては

  • 機材の性能を確認するだけの写真は無用。
  • High-Fidelity である必要も全く無い。手段不問。CGでも良いと思ってる。
  • 手段不問と言いつつ、文字はタイトルに留める。ポエムは試合放棄。

他の人が、他の人のやりたいように趣味で写真を撮ることに関しては
一切関知しません。私は何の関係も無いわけですからね。当然ですね。
上記のシバリはこの Impression Fidelity というコンセプトに対する
私の勝手なシバリです。趣味ですから自由にやりますよw

実験的にTwitterで #ImpressionFidelity というタグを始めています。*2

 

ちなみに、江ノ島で撮り歩いてて現場でよく一緒になる連中と
帰りに時々呑むんですが、こんな話もよくしますよ。楽しいです。


 機会があれば話の続きを酒の肴にしましょう。

 

 

 

 

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*1:カクテルパーティ効果とかそういう能力を人は備え持ってるとか言いますが個人差が非常に大きいです。周りが煩いと目の前の人の言葉がまったく聞こえて来ない人もいますし、人による程度の差はいくらでもあります。ちなみに私も周りが煩いと目の前の人の声が聞き取りにくい人です。耳がぺったんこなので元々が真正面の音が聞き取りにくいせいかもしれません。真横からの音は大変よく聞こえますw

*2:どうやらTwitterに限らず一般的には、既に存在している大きな流れとしてのタグに自分も参加して広く繋がる、という意味合いが強いように見受けられますが、私は自分の写真のコンセプトみたいなモノとして使っています。#silhouettehunting や #SketchesOfWinter もそう。勝手に新たに創って勝手にやってます( ´ ▽ ` )ノ