前回は色をグレースケールへ変換する原理を簡単に話しました。
今回は実際にモノクロへの変換を試みます。
では早速はじめましょう。
そこそこカラーで整えた状態です。
Capture Oneの場合はこの様な↑モノクロのメニューがありまして
ポチッとすると、、
モノクロになります。
もともとのカラーの状態では空の青さにトーンの変化があって
それを見せるために広いエリアを割いていたのですが
単にモノクロにすると少々表情が乏しくなりました。
で、シアンと青の部分の感度を落とします。
暗くして青色の色味の変化をグレースケールのトーンの変化として見せるのです。
いい感じ。(自画自賛)
ポイントはシアンと青の感度を落とす際に
全体が滑らかなカーブを描くようにすることです。
この画では全くわからないのですが
一つのパラメータだけを急激に変化させると
トーンのつながりが破綻することがあるんです。
モノクロフィルムなどではレッドフィルターやイエローを使えば良さそう(この作例では)
というのが、感度のカーブから容易に想像できるでしょ?
では、次。
これは撮ってるときからモノクロにするつもりでした。
ちなみに私よく撮影するときからEVFはモノクロにしてるのです。(この話はまた別の機会にでも)
こんな風に。(↓撮って出し)
ただこれだと葉っぱが存在感強すぎて。
もうすこし花を見せたい、そんな感じに仕上げましょうか。
まずカラーでそこそこ整えてからモノクロへ。
ここから緑付近を沈めてマゼンダを浮かせてみましょう。
ええ感じ。
あと、周辺の葉の残党が画的に邪魔なので
周辺減光させて削りますか。
どうでしょ。
スッ、、、、と花に目が行くのではないでしょうか。
Flickrに挙げたのはもうすこし花の部分に手を入れていますが
大体こんなもんです。単にモノクロボタンポチとは違うでしょ?
もう少し例を挙げましょうか。
ちょっと趣向を変えて Nik CollectionからSilver Efex Proを使ってみましょう。
モノクロ現像ソフトウエアとしては良く知られたツールだと思います。*1
最初はこちら。
これをフォトショのプラグインとして登録してあるSilver Efex Proへ引き渡します。
左側にいろいろプリセットがありますがとりあえず全部無視w
右側のグローバル調整を下にスクロールして「カラーフィルタ」に注目。
これで分光感度をコントールします。
ぱっと見で、花が少し白いかな?
葉はこのままでも大体OKでしょうか。
デフォルトではすべての色に大して均一な感度になっていますが
たとえばここで緑フィルターをかけると花が暗く、葉が明るくなるはずです。
緑をクリックした状態です。
花に立体感が出ましたが葉がでしゃばりすぎですね。
ブルーにして全体を沈ませる方向で微量当てたほうがいいかな?
こっちのほうが良いですね。
Silver Efex Proの場合はCapture One Proと違って
浮かせたい色が1ポイントしか選べません。
まあ、昔ながらの外付カラーフィルターを模してるのかな。
デジタルだからそういう制約は不要だと思うんだけど。
ま、良いですけど。
もう一つ行きましょうか。
Silver Efex Proに引き渡して、、
これまた寂しい空になりましたねえw
空のトーンを沈めて、、
雲をすこし浮かせて、ディテイルを出しますか。
部分調整を使って必要最小限、手を入れます。
空に賑やかさが蘇ってきましたね。
如何でしょうか。
やり過ぎは禁物ですよ。
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一時期、ギラギラのHDRとか流行りましたけど
今や完全に消えましたね。そういうことですよ。
やりすぎのジャンクフードみたいな画はあっという間に飽きるんです。
これは肝に銘じておいて良いと思います。
ぱっと画を観る。
余計なことをグダグダ考えること無く、その画の中の世界に吸い込まれる。
何時間でも何年でも観ていられる。いろいろ想像が記憶が広がる。
そういうのが、私は好きですね。
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*1:Nik CollectionがDxOに譲渡されたようですね。今年中にNew Versionリリースされるとか。DxO専用プラグインとかだと辛いなあ。。今のうちに現行版DLしといた方が良いかもしれません。元々PhotoshopやLightroomのプラグインとして開発されたツールなのでスタンドアローンで起動するとファイルを開くメニューに色々不備があるようです。DOS窓から >PATH\"プログラム名前" "編集したいファイル名" としで起動するとスタンドアローンでもTIFFなども編集することが出来るようですね。https://nikcollection.dxo.com/