相性ってあると思うんですよ。カメラとレンズの。
Lマウントみたいに一つのマウント規格に則って複数のメーカーがカメラとレンズを提供している環境もあるし、今どきはマウントアダプターによって自由度が高くなったし、シグマやコシナみたいに同じ光学系を複数マウントで提供しているメーカーもあるし、色々楽しめる良い時代ですホント。
で、数は少ない(とタカをくくってたらそうでもなかった)のですが単なる組み合わせ以上の何かを感じる組み合わせがあるように思うんですね。それが何に起因するのかはよくわかりません。なにせカメラとレンズの組み合わせに関して重要な情報はメーカーから何一つ開示されていませんから。
- センサーの推奨CRA特性
- レンズのCRA特性
- センサーカラーフィルターの分光感度特性
- そのレンズのコーティングの分光感度特性(による色の転び具合)
- そのレンズ設計時の想定カバーガラス厚みと硝材
- インナーフォーカス動作のレンズを全群繰出しした際のスルーフォーカス特性(言うて元々全群繰出しの玉でさえスルーフォーカス特性は1つとして公開されていませんが)
上記の様なガチガチに理屈の話もそうだし、レンズのキャラとセンサーのキャラのマッチングとかもあると思います。組合せによって万能選手になったり一点特化型になったり。まあ印象に残るのは後者が多いですけどね。
以下、特別な何かを感じた(当社比)組み合わせによるアガリを挙げてみます。
過去写真からの引用になってしまいますが、ご容赦を。
アガリは是非クリックしてFlickrに飛んでいただいて、画像をクリックして鑑賞して下さい。最大で2回、4Kサイズまで拡大できます。特に後半、画像の緻密度が増すにつれ隅から隅までビッチリ見ることでレンズとカメラの相性によるキャラが良く分かるかと思います。
ちょっと長くなるので先にお品書き出しときます。
- EF200mm f/2L IS USM + Canon EOS-1D X (初代)
- AF-S NIKKOR 80-400mm f/4.5-5.6G ED VR + NIKON D800
- AF-S NIKKOR 18-35mm f/3.5-4.5G ED + NIKON D800
- Leica SUMMILUX-M 1:1.4/50mm ASPH. + Leica M9
- Leica SUMMILUX-M 1:1.4/50mm ASPH. + Leica SL2
- EF 20mm f/2.8 USM + Canon EOS-1D X (初代)
- EF 20mm f/2.8 USM + SONY α7II
- XF56mm F1.2 R + FUJIFILM X-E2
- Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA (SEL55F18Z) + SONY α7,α7II
- Carl Zeiss APO Sonnar T* 2/135 + SONY α7/α7II
- SIGMA 15mm F2.8 EX DG Diagonal Fisheye + SONY α7/α7II
- SIGMA 15mm F2.8 EX DG Diagonal Fisheye + Nikon Z6
- SIGMA 15mm F2.8 EX DG Diagonal Fisheye + Nikon Z7
- SIGMA 15mm F2.8 EX DG Diagonal Fisheye + Leica SL (typ601)
- NOKTON classic 35mm F1.4 VM + SONY α7, α7II, α7S
- Carl Zeiss Distagon T* 21mm F2.8 ZF + SONY α7, α7II
- NOKTON 50mm F1.5 Aspherical VM + SONY α7II
- SAMYANG 135mm F2.0 ED UMC + SONY α7II
- NOKTON 40mm F1.2 Aspherical + SONY α7, α7II
- SIGMA 135mm F1.8 DG HSM + SONY α7III
- SIGMA 135mm F1.8 DG HSM + Nikon Z7
- SIGMA 135mm F1.8 DG HSM + LUMIX S5
- SIGMA 135mm F1.8 DG HSM + Leica SL2
- ZEISS Batis 85mm F1.8 + SONY α7
- ZEISS Batis 85mm F1.8 + SONY α7III
- ZEISS Batis 25mm F2 + SONY α7III
- ZEISS Batis 25mm F2 + SONY α7II
- NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S + Nikon Z7
- SIGMA 35mm F1.2 DG DN + Leica SL (typ601)
- SIGMA 35mm F1.2 DG DN + LUMIX S5
- SIGMA 35mm F1.2 DG DN + Leica SL2
- SIGMA 35mm F1.2 DG DN + Leica SL2-S
- SIGMA 105mm F2.8 DG DN MACRO + Leica SL (typ601)
- SIGMA 105mm F2.8 DG DN MACRO + Leica SL2
- SIGMA 85mm F1.4 DG DN + Leica SL (typ601)
- SIGMA 85mm F1.4 DG DN + LUMIX S5
- SIGMA 85mm F1.4 DG DN + Leica SL2
- SIGMA 85mm F1.4 DG DN + Leica SL2-S
- SIGMA 14-24mm F2.8 DG DN + LUMIX S5
- SIGMA 14-24mm F2.8 DG DN + Leica SL2
- SIGMA 35mm F2 DG DN + Leica SL2
- Leica SUMMILUX-SL 1:1.4/50 ASPH. + Leica SL2
- Leica SUMMILUX-SL 1:1.4/50 ASPH. + Leica SL2-S
- APO-SUMMICRON-SL 1:2/28 ASPH. + Leica SL2
では、どうぞ。
■ EF200mm f/2L IS USM + Canon EOS-1D X (初代)
初っ端からズルい組合せですまんですw トータル4kg超えの写真も撮れる鈍器←
このとき驚いたのが、AFすると「クン!」ってAF移動する中玉の反作用が手に来るんですよw デカい中玉を1DXの強大なバッテリー力でねじ伏せて超高速AFやらかしてた訳ですね。
どんなに意地悪で煩くなりそうな背景持ってきても200mm F2のボケパワーでねじふせる。アウトフォーカスの柔らかさ中距離の立体感フォーカス面のキレ、全てが完璧。初代1DXの頃の光をぶっ込むと無限に優しく溶けていくハイライト。DPCMOS以前のCanonのアガリはホント良かった。。。
■ AF-S NIKKOR 80-400mm f/4.5-5.6G ED VR + NIKON D800
2013年当時、アガリを見てあまりにもフォトショでガウスぼけかけたような全く癖のないアウトフォーカスだったのでニコンどうしちゃったの!? (良い意味で) と驚愕したレンズ。当時36MPが高画素扱いだったのも時代ですかね。多分これ今でも花とか風景とか撮るとすごく良い気がする。デカいはデカい。嫌になるくらい←
■ AF-S NIKKOR 18-35mm f/3.5-4.5G ED + NIKON D800
キレキャラ一点突破。広角で絞ってパースきかせてバチーっと撮るのに最適。わかりやすい。安いレンズなのにキレ散らかしっぷりが凄くて当時のEFのL単広角より断然キレた。テレ端で開放気味にして人物を下から見上げて脚長小顔効果とかそういう小賢しい事せずにギュッと絞ってバーンと撮るでOK←
つか確かこのレンズ入手してEF広角L単を全部手放した記憶ww
■ Leica SUMMILUX-M 1:1.4/50mm ASPH. + Leica M9
ルクスM50は公開されているMTF特性そのものは2023年現在では箸にも棒にもかからないレベル。まあ発表当時はそれなりにセンセーショナルだったんでしょうけどね。*1 MTFは単に一つの数値指標に過ぎないのは確かではあるものの読み取れる情報はそれなりにあります。特にLeica玉に関して感じるのは、確かにMTFに示されるような周波数分解能は感じるものの (周辺の非点収差的な結像の甘さであるとか)、一歩引いてあるいは50%程度に縮小して鑑賞したときにヌルい絵を縮小して見ているとは感じない不思議さはあります。それが何に起因するのか判りませんが彼らは何かノウハウを持っているような気が。気ですけども。
因みに、2013年当時使っていた Summilux-M 50/1.4 は手放し、現在所有しているのは後に再度新品購入した物なのですが
この個体、以前の個体や巷でよくみられる特徴的なシャワーのようなゴーストが全く出ないんです。
なんで?こっそりコーティング変更した?
M9との組み合わせでは、CCD故にDレンジが狭く言うたらポジみたいなものでして、勝手にコントラスト高めに写る。白飛び黒潰れを恐れずに見せたいものに集中して潔く切り取る。その結果として押しの強い絵が(半ば強制的に)撮れるor失敗写真、のかなと。勝手に思っています。現代の「広大なDレンジで漆黒からハイライトまで余すところなく量子化し、飛ばすも潰すも粘らせるも撮影者の意図次第でご自由に。ただし責任は全部お前が取れよ」的なアプローチとは全く違いますね。
M9に限らずレンジファインダーはどうも私は好きになれなかった。レンズ付け替えればレンジファインダーのピントが狂う。F1.4なんてピント博打。故に出先でレンズ交換は基本無理。その日出かける前に調整しないとロクにピント合わない。5m先にガチピン来るように調整しても無限遠合わない。逆も然り。
エレキ系は一日で少なくとも2,3回はハングする。連射でなくとも立て続けにシャッター切るとハング。その度にバッテリー抜いて強制終了。背面液晶は設定確認のみ使える程度の品質でピントの確認なんて不可能。
レンジファインダーってのはフォーカス機構としては無理だらけでして、そもそもレンズ側のフォーカス情報をメカで伝達してるのは大昔はそれしか手段がなかったからであって、伝達過程に「公差」と「個体差」と「熱膨張収縮による寸法の狂い」が存在する以上、原理的にピントは合わない。ピントの狂いが許容される焦点深度内に収まっていた暗いレンズ主流の時代の産物。ユーザーさんにF1.4より明るい玉を出先でガシガシレンズ交換して絞り開放で無限遠でも近距離でもガチピンくるか聞いてみたら良いですよ。YESと言う人ほぼ居ないと思いますよ。
でもね、もしガチピン来たらアガリは良い。だから困るw とても困る。
■ Leica SUMMILUX-M 1:1.4/50mm ASPH. + Leica SL2
SL2との組み合わせは快適です。ガチピン当たり前の土俵です。44x33フォーマット機を含めたコンシューマ市場の中で断トツの出来のファインダー光学系。断トツです。スチル撮影において何のストレスもありません。SL2のFSIセンサーはハイライトからディープシャドウまで非常にフラットな印象。ルクスM50の押しの強さが適度に緩和され力強さと上品さが同居した絶妙な塩梅に。逆にしょうもないもん撮ると画質と全く合わない。白ける。スベる。変に被写体選びます。
SL2センサーのCRA特性*2が謎だらけでして、フィルム時代のライカ玉のようにCRAが大きい玉をつけても周辺減光はライカMと同等か時にはより軽度になる場合もあります。そのくせSLR系のCRAの小さい玉をつけても特段変なことが起きません。このあたりの仕様は全てのカメラメーカーが全く公開しないので真実は不明。
■ EF 20mm f/2.8 USM + Canon EOS-1D X (初代)
EF20mmは割とよく使いました。アウトフォーカスは煩め、キレ切らず描写は大味で色乗り強め、ゴーストは盛大に出る。初代1DXの柔らかいハイライトと相まってすごい絵画調に撮れて印象的でした。レンズキャラがまったり絵画調なのでハイライトの柔らかいFSIとの相性が良かったのかもしれません。光ぶっ込むと特に良かった。CanonからSONYへ移行した後もマウントアダプター経由でしばらく使っていました。古き良きキャラ玉。あ、あとメッチャ寄れます。気配を消せる諸氏には猫写真におすすめ。
■ EF 20mm f/2.8 USM + SONY α7II
■ XF56mm F1.2 R + FUJIFILM X-E2
フジといえばスナップ。XF56出たばかりの頃は、ピントの最小移動幅がすごく荒くてMFで微調整してると被写体のちょっと向こうとちょっと手前にしかピンが来ずガチピンすっ飛ばしで自分が前後に動くしかない、そういう雑なFWでしたw 後に改善されたようですが。フジはカメラ側の色調はモデルを越えて統一されていますので組合せに関しては特に言及しません。
XF56って写りは何か華やかさがある気が。ローキーにしてもしみったれた感じになりにくい。陽キャ向け?←
こないだ書きましたが
絞ってキリッキリの遠景撮るので無ければXマウントは実に良いです。以前はハイライトがちょっと硬いなと感じていたのですが最新のH2では改善されたように思いますし基本的なカメラ内JPGのトーンレンダリングは相変わらず素晴らしい*3。遠景だけモヤモヤ、絞ってもまるで解像しません。最新のXF33/1.4で。実にもったいない。*4 何でも雑多に撮るんで、出先で撮り方に制限かかるシステムはNG。近距離は良いんですが。いつかは解消されるのでしょうか。
■ Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA (SEL55F18Z) + SONY α7,α7II
レンズに関して詳しくはこちらで
SONYのα7で初めて使った玉で、よく使いましたし2023年現在であっても良い玉だと思います。最近すっかりZEISSから新玉リリースされ無くなってしまいましたが。10年前当時この透明感やヌケの良さはすごく新鮮で撮るのが楽しかった。使うボディは選ばないと思います。
■ Carl Zeiss APO Sonnar T* 2/135 + SONY α7/α7II
アポゾナー、超高性能135mmレンズの元祖かと思います。それまではCanonのEF135/2とかNikonのDC-Nikkor 135/2Dが両横綱で長い間刷新されてなかった所に突然出てきた新世代番長。*5
遠景、中距離(数十m)、近距離、死角無し。特に中距離で、被写体をまるでブロンズを削り出したかのように硬質な描写で甘さも曖昧さも無くキリキリと描き上げる。かといって背景(アウトフォーカス)は昨今の「単に数値性能あげちゃって背景が悪目立ちしすぎて絵が崩壊しちゃったレンズ、言うなればバックバンドの音がデカすぎてメインボーカルの声が全然聞こえてこない下手糞バンド」的なんちゃって高性能レンズの様に煩くもなく、ちゃんと背景になっている。いかなる距離でもフォーカス面の甘さがゼロのため、中距離で使うと距離感がバグる。等倍で見ても等倍で見てる気(レンズ頑張ってる感)がせず、気が付くと200%くらいで見てる。
かなり衝撃でしたし、アポゾナー以外の当時の手持ちレンズが全部ポンコツにしか見えなくなって困りました←
強いて弱点を申し上げるなら以下の2点:
- 135判24MPの解像限界付近の空間周波数あたりで若干線が太くなる。ただしこれは分解能がより高周波まで伸びているさらなる高性能レンズと比較したときにのみ判断できる程度ではある。
- フォーカスリングがあまりにも滑らか過ぎて、リングが微動しても全く気が付かず微妙にピン外すことがチョイチョイある。(幅の広いフォーカスリングの前端か後端の境目あたりを指で触っていれば回避できる)
既にAPO SONNAR銘では廃盤になっていますが、Milvus銘で同光学系が残っています。
一応、他も含めて135mmレンズについてはこちらに詳しく記しています。
APO SONNAR (現Milvus) 135mm F2 は一度使った方がよいですよ。
何かと示唆に富んだ素晴らしいレンズです。本体は選びません。
文字通り「目が洗われる」体験を是非。
■ SIGMA 15mm F2.8 EX DG Diagonal Fisheye + SONY α7/α7II
おそらく一番長く使い続けているレンズ。倍率色収差は結構ありますがRAW現像時に補正してやると隅々までキレッキレ。なにより光をぶっ込んだときのツヤとヌケの良さは格別です。FSI機との組合せを推奨しますがトーンの良いBSIでも合うと思います。*6
魚眼についてはこちらで。
■ SIGMA 15mm F2.8 EX DG Diagonal Fisheye + Nikon Z6
■ SIGMA 15mm F2.8 EX DG Diagonal Fisheye + Nikon Z7
■ SIGMA 15mm F2.8 EX DG Diagonal Fisheye + Leica SL (typ601)
■ NOKTON classic 35mm F1.4 VM + SONY α7, α7II, α7S
私的スナップ番長。
こいつも絞り込んで直射光をぶっ込んだ際のヌケとツヤが最高です。FSI機推奨。
巷で散見するのは「開放では柔らかく絞るとキリッと」とか「オールドっぽい描写が云々」とかですね。それも良し。こいつの本領はF5.6からと、ヘリコイド付きマウントアダプターであり得ん位寄りまくった時です (偏見) が、まあパンフォーカスでバシバシ撮りまくるのが手っ取り早いですね。とにかく容赦なく光をぶっ込んで下さい。センサー焼けないようご注意を。
■ Carl Zeiss Distagon T* 21mm F2.8 ZF + SONY α7, α7II
1X年くらい前は2023年現在と違ってよく写る広角レンズの選択肢があまりなくてですね。とにかくDistagonは憧れの的でした。特に18mmと21mm。これも現在生産終了になっていますが APO SONNAR と同様に Milvus銘で光学が引き継がれています。
キャラは無慈悲。けどちょっと派手目なゴーストがご愛嬌 (1枚目)。線は細くもなく太くもなく中庸で押しの強さがあります。カメラはFSI/BSI問わず何にでも合うかと。海に行くときは必ず持参しました。
重さが気になる諸氏は、同じだけ自分の体重を削ればOK←
そもそも痩せてる方は筋肉つけて下さい←
そう思わせるレンズの一つです。
■ NOKTON 50mm F1.5 Aspherical VM + SONY α7II
NOKTON 50/1.5は歴代いろいろありますが、ここで挙げてるのはこれ
ヌルいです。諸収差けっこうあります。雰囲気もん向け。
でも光ぶっ込むとマジ最高なんすよ。King of やわらかハイライト。
FSI機推奨。24MPか12MPで十分です。
■ SAMYANG 135mm F2.0 ED UMC + SONY α7II
135mm 裏番長。先に上げたLINKでも紹介していますから特に語る事も無く。パッと見は柔らかく線が細い。アポゾナーのような強烈なパンチは無いですね。
この玉はマイクロコントラストも中庸なのでBSIとの組合せではごく普通ですかね。できればFSIと組合せて光量多めな状況の方が活きる気がします。
■ NOKTON 40mm F1.2 Aspherical + SONY α7, α7II
みんな大好き4012。
これはSONYのFSI機と特に相性が良かったように思います。基本雰囲気もん向けレンズなので24MP辺りが程よい感じ。とにかくモノクロが良い。けどカラーも良い。
トーンがイマイチだなと感じたらセンサーキャラか自分の腕前を疑いましょう←
■ SIGMA 135mm F1.8 DG HSM + SONY α7III
アポゾナーの強烈パンチとSamyang135の線の細さが程よくブレンドされた2刀流 裏番継承レンズ。背景がちゃんと背景になる素晴らしいアウトフォーカスの御しっぷり。がむしゃらにコントラストと解像性能上げただけのバカ玉とは違います。売値なんざ完全にバーゲンプライス。もっと値上げして儲けて未来のレンズ開発のために投資してほしい。
高画素機と組合せて狂気と狂気のかけ合わせを楽しむも良し、FSI機と組合せてヌケの良さを堪能するも良し。
α7IIIの弱いLPFとの組合せではアポゾナーを思わせる強烈なパンチと抜群のヌケ感が出ます。
■ SIGMA 135mm F1.8 DG HSM + Nikon Z7
Z7の狂気との掛け合わせによる常軌を逸脱した緻密さ。
■ SIGMA 135mm F1.8 DG HSM + LUMIX S5
S5の美しい中間調 ✕ SIGMA135/1.8によるインフォーカスの向こう側に距離情報を残しつつシルキーに広がる完璧に御されたアウトフォーカス
■ SIGMA 135mm F1.8 DG HSM + Leica SL2
SL2との組合せではZ7から狂気成分を抜いた感とでも申しましょうか。
■ ZEISS Batis 85mm F1.8 + SONY α7
Batisは特許事例からタムロンの製造ではないかという噂。たしかにZEISS銘にしては描写が妙に柔らかめ。ですがインフォーカスはしっかりキレます。何か際立って尖ったキャラは無いのですが「普通に良い」をブラッシュアップした扱いやすさがあります。アウトフォーカスのコントラストは絶妙に控えめにしつつ色乗りが良いので、煩雑な背景を滲ませた水彩画のようにして積極的に画作りすると大変美しいアガリが得られます。陽キャ玉、と思って扱うと吉。
■ ZEISS Batis 85mm F1.8 + SONY α7III
■ ZEISS Batis 25mm F2 + SONY α7III
Distagon21/2.8と並び横綱級のオススメ広角単レンズ。Eマウントでしかリリースされていないのが残念でなりません。アウトフォーカスの美しさは広角レンズのなかでも飛び抜けています。積極的に活かすのが吉。
α7IIIの様な色がダメダメなBSIとの組合せでは陽キャ⇒儚い雰囲気。
FSIとの組合せでは大変発色の良いアガリが得られます。
解像一辺倒のバカ玉広角に飽きた諸氏にお勧め。
■ ZEISS Batis 25mm F2 + SONY α7II
■ NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S + Nikon Z7
狂気と狂気のかけ合わせ。高画素Zユーザはもうこの標準ズーム1本で良いのでは。異常な緻密さ (=あらゆる意味で撮り手は手抜きを許されない)、近距離も遠距離も前ボケも後ボケも一切エクスキューズが無い、開いても絞っても良し、絞ってもあり得ないくらい立体感が残る、アポゾナーに通じる強烈なパンチを昇華させて画面全域全被写体距離でぶちまけてくる、マジ狂気。この組合せを体感して以降、高画素機における被写界深度の感覚が刷新されました。メチャ楽しいので一度お試しを。
■ SIGMA 35mm F1.2 DG DN + Leica SL (typ601)
完璧にもっとも近い35mmレンズ(当社比)。F1.2からエクスキューズほぼ無し。アウトフォーカスの有り様もほぼ完璧。アガリ至上主義の諸兄に。
大きさ?重さ?そんな細かいこたあ使えば忘れるしアガリでねじ伏せるし、見た目大事な諸氏はアポズミMでも買ってF2で我慢してて下さい(問題発言)。
大口径35mmは絞っても四隅がキレ切らないまま終了というケースが多いのですが、こいつはドットバイドットで結像してきます。SIGMAらしからぬシルキーな描写傾向なので初代SLやSL2-Sの様にコントラスト強めなカメラと合わせると相互補完して素晴らしいバランスになるかと思われます。
■ SIGMA 35mm F1.2 DG DN + LUMIX S5
■ SIGMA 35mm F1.2 DG DN + Leica SL2
■ SIGMA 35mm F1.2 DG DN + Leica SL2-S
■ SIGMA 105mm F2.8 DG DN MACRO + Leica SL (typ601)
初めて使ったときアポズミの硬さ成分だけを抽出して結晶化させたようなカッチカチのアガリに笑った組合せ← と思いきや、柔らかい光ではちゃんと柔らかく写るし長玉として使えばしっかりとキレと距離感を両立させてくる。
私自身が70~100mm辺りを全然使わない人なので、使い込めばもっといろんなキャラが出てきそうな気はします。
■ SIGMA 105mm F2.8 DG DN MACRO + Leica SL2
■ SIGMA 85mm F1.4 DG DN + Leica SL (typ601)
みんな大好き8514DGDN。アウトフォーカスに若干の暴れが見受けられますが程よく御されることで暴れ⇒華やかさに昇華されている印象。コントラスト強めなカメラとの組合せでそれがより引き立ちます。
ヌケの良さとシルキーさがほどよくMIXされた面白い玉ですね。特に目立った欠点みたいなものが無いように見受けるのであとは使い手次第ですか。
■ SIGMA 85mm F1.4 DG DN + LUMIX S5
■ SIGMA 85mm F1.4 DG DN + Leica SL2
■ SIGMA 85mm F1.4 DG DN + Leica SL2-S
■ SIGMA 14-24mm F2.8 DG DN + LUMIX S5
40MP級で等倍鑑賞すれば広角端の四隅で若干乱れが見受けられますが、これまたバーゲンプライスなキレキャラ14-24。コントラスト強めなのでFSI機でフラットに受け止めて光をいなしてあげるとハイエストライトからディープシャドウまで完璧なトーンが得られます。どう仕上げるかは撮り手次第。Lマウント勢なら広角これ一本あれば他要らないでしょ。
■ SIGMA 14-24mm F2.8 DG DN + Leica SL2
■ SIGMA 35mm F2 DG DN + Leica SL2
2代目スナップ番長。AFちょっ早。コントラストの微妙な変化をものすごく良く拾うレンズで、モノクロで使うと気持ち良いです。逆にネーチャン写真だと荒が目立つかもしれません。
AFの被写体への食いつきが良いのでコントラストAF機であっても水族館のようなローライト環境でストレス無く使えますね。
AFスナッパーにお勧めなレンズ。FSIでもBSIでも合うと思います。
■ Leica SUMMILUX-SL 1:1.4/50 ASPH. + Leica SL2
私的50mm大本命 (2023/2/11現在)。
大事なことなので繰り返しますが、大きさとか重さとかそんな細けe(略
F1.4からインフォーカスのほぼ完璧な描写、アウトフォーカスの悪目立ちしせずかつ距離情報が読み取れる気の利いた御し方。絞り込めばキッチリ高周波まで結像し立体感もある。光をぶっ込めば+αでドリーミーになり、APOを謳わずとも軸上色収差はほぼ無し。素晴らしい。このレンズに限らず、よく出来た大口径単レンズはちょい離れて使うのが吉ですよ。
撮り手の腕は問われます。常に。よく出来たレンズは何でもそうですが。私もこのレンズの底は全く見えていません。
物量度外視は伊達じゃない。アガリ至上主義な諸氏、一度お試しあれ。
■ Leica SUMMILUX-SL 1:1.4/50 ASPH. + Leica SL2-S
■ Leica APO-SUMMICRON-SL 1:2/28 ASPH. + Leica SL2
正直申し上げて現行SLアポズミは基本光学性能は狂気じみたレベルなのですが、アウトフォーカスのコントラスト高すぎ&煩すぎると感じています。実使用上それが許容できるのは広角かと (そもそも積極的にアウトフォーカスを画作りに取り込むケースがほぼ無いから)。
で、所謂広角としての使い方をする上では完璧です。完璧すぎてグウの音も出ません。
硬いものは硬く、柔らかいものは柔らかく、隅から隅まで当たり前のように結像してきます。これも未だ底が全く見えません。まだ入手して日が浅いこともありますがね。どんどん容赦なく光をぶっ込んで行きたい所存。
ということで、過去に使った機材から極一部抜粋にも関わらず阿呆みたいに長くなってしまった記事にお付き合いいただき感謝。
過去10年くらいからのピックアップ。また10年くらいしたらやるかも。
あれ?あのレンズは?とか思われる事も多いかと思いますが何らかの理由で利点を帳消しにしてしまうPain pointがあったんだなとか、当時は凄かったけど2023年現在では陳腐化していると判断されたんだなとか、お察し下さい←
自分の気に入った描写を見つけたら満足、、しないんですよねえw メーカーは今を生きていますし、未来に向けて今の彼らを応援したいし、「たかだか見たままを写せるカメラさえ無い」し、技術的にやるべきことは無限にあるはずですから。
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*1:大体M玉ってのは最新のものを含めて必ず「小型の割には」という枕詞が必ず付くことを忘れてはなりません。小型の割には明るい。小型の割にはよく写る。大きさ度外視で性能/写りに全振りの玉はSL玉に託されています。
*2:Chief Ray Angle のこと。センサーへの光の入射角度はセンサー仕様で厳密に決められています。推奨値とそこからのずれの許容値。レンズ側のCRA特性がセンサー側と仕様値を外れて大きく異なると、色被り、極端な周辺減光、等が発生します。
*3:とは言えRAW現像すれば同等のクオリティは容易く達成できるしそんなのは日常的に行ってるので質に関してはどうと言うことは無いです。好みに関してはフジのトーンが好きなら自分でやらなくてもカメラにお任せでOKなのでそれはそれで合理的。
*4:私だけでなく他複数のユーザーさんからも同様の印象をいただいています。
*5:今回は紹介しませんでしたがEF135もよく使いました。DC135/2Dはボケキレイだけど単に描写がヌルくなってるだけでまともに結像しないじゃん、って印象で新品購入して1週間もせずに手放した記憶があります。
*6:SL系とは平気だったんですが何故かS5で使うと周辺の結像が甘くなりました。