SNOPAN PHOTOGRAPHY / BLOG

外資で未来のスマホカメラを研究開発するオッサンの戯言

SUMMILUX-M 1:1,4/50mm ASPH.

 

8年ぶり。そこそこ癖玉なのよね。

  • ルクスM50ASPHって実はAPO設計だったという話。ソースはココ↓

    www.reddotforum.com

    2008年のフォトキナで設計者であるPeter Karbe氏がインタビューに答えてます。
    以下引用 (インタビュアーの1人称で書かれている)

    ... I asked if the design was the same why the 75 was an APO lens and the 50 wasn’t. Here is a bit of a shocker… the 50 lux ASPH is an APO lens, containing an APO correction element. But, he thought the idea of an APO 50 was a bit silly so they never put it on the lens or in any marketing materials.


    どうやらPeter Karbe氏は、ルクスM50ASPHを設計した時点ではアポクロマート設計であることを押すことはバカバカしいと考え、マーケットに伝えなかったそうな。なんじゃそれw(´Д` )

    2004年当時は標準レンズにAPOというのはあまり馴染みがなかったし訴求力があるとも考えられていなかったのかも。まあアポクロマート設計だと言っても3つの波長で色消しを行うということでしか無いし、その後登場するアポズミクロンのように解像番長を目指した設計でも無かったと(現物を実際に使ってみて実感として)思われます。

    なるほどキャラ玉のくせにフォーカス面のマイクロコントラストの高さやヌケの良さはここからきてるのかと。
    少し納得した次第。

 

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Leica SL2 // SUMMILUX-M 1:1,4/50mm ASPH. // M-Adapter L // Filter UVa II

アダプターはSL2買った時にキャンペーンという名のオマケでもらったやつ。フィルターは御祝儀←

8年前は UVa を使っていて UVa II って無かったような?マルチコートになったのかな?

 

Winter in the display window / Autumn -27-

  • 線は中庸からやや太めだが、APO設計のお陰かフォーカス面はスッキリ。
  • やたら絵の押しが強い。圧を感じるレベル。とにかくこれに尽きる
  • RAWへのトーンレンダリングが絶品。
    現像すると絶妙に演出された明暗の連なりが無限に湧いて出てくるかの様。
    (無茶な露光は普通に破綻するし、もともとトーンの連なりが無い現場で撮っても無意味。そこまで甘くはない)
  • アウトフォーカスは割と暴れる。線の太さやコントラストの高さと相まって、植物や木漏れ日など画像情報として高周波な背景は煩くなりがち。街中での撮影ならあまり問題にならない。何でもかんでもトロトロに溶かす訳ではない。
  • 明らかにHi-Fi志向では無いし解像厨歓喜玉でも無い。
    「現実がどうなのかよう知らんがワイはこう結像させるぜ」って主義主張が明確にある。
  • 半段絞るとアウトフォーカスの暴れが少し収まる。(でもコントラストは高い)

 

Winter in the display window / Autumn -28-

 

そもそもSIGMAがいつまで経ってもガチな 50/1.4DGDN Art をリリースしないのがいけないのですよ。
(責任転嫁← つかキャラ違うし)

 

しかしこの玉で8年前に撮ってた写真見ると下手クソ過ぎて笑うw(´Д` )
何もわかってないし、憧れのレンズを手に入れた喜びと勢いだけで撮ってるのが丸見え。

  • キレすげえ!
  • 背景と被写体の分離感すげえ!

ってのしか写真から見えてこない。ワイ猿かよwww(´Д` )

 

Untitled

 

Shoot the sun / Summer days -91-

 

Jump!

 

いわゆる普通のレンズ評価をすれば

  • 中央部は解像力は高いが最先端のレンズと比べると数値性能は劣る
  • 周辺部では比較的非点収差が多い
  • ボケは距離によってはグルグルになる。絞ると手裏剣形の絞り形状が出る。

良いとこ無し←
強いて言えば小さい事くらいですか。「押しの強さ」と言われても現在通例化している数値評価指標では評価できないですから仕方ない話。

ルクスM50ASPHは、そのブランド知名度故に、その金額故に、その数値性能故に、その描写力故に
 「ライカの肩書がほしいのか」
 「結果が欲しいのか」
 「レンズに求めている事象は何だ」
という問いを直球でぶつけてくる。無視して使うも良し、自分の内なる心の声と向き合うも良し、持ち物自慢or自己満に徹するも良し。自由。

 

FlickrでもルクスM50ASPHの作例って意外と少ない。絞り開放なら魅力的な被写体を中央に配置して良い光と空間周波数の低いナイスな背景(街中とか)ドーンってやるくらいしか使い道が無い。遠景になると周辺でもそこそこ優秀なのでひたすら引きで撮るか。でも50mmの画角で絞り開放で引きで狙って絵になる状況って特殊すぎんか?ww

 

素直にF2~2.8にすると優秀。押しというか圧が凄いけど。
しょーもない被写体で絵の圧ばかり強くてもスベるので、被写体はかなり選ばされる羽目になるかと。

 

Autumn -31-

 

Autumn -30-

 

Winter in the display window / Autumn -29-

 

アポクロマート設計なのに解像力ではなく雰囲気重視って貴重。

つか周知なのかしら?

 

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